くるぶし

月極オトコトモダチのくるぶしのレビュー・感想・評価

月極オトコトモダチ(2018年製作の映画)
3.8
大体、いつの時代も何かというと“男女の友情は成り立つのか”問題が横行しすぎではないか!と常々自分は思っていたのだけれど…
正直この映画を見て倫理観が揺らいだことは白状しよう。
だってこれは防ぎようがない。柳瀬のようなあざとい男は核弾頭と一緒だ。

とあるきっかけから“男女関係にならないスイッチを持っている”という柳瀬と知り合った那沙は、裏事情を抱えながらレンタル友達を契約する。
15時間5万円/月極。1時間消化するごとにスタンプカードに“済”の判を押す柳瀬。
このカードが埋まっていく過程が、ふたりの関係の深さではあるのだが、気持ちのシンクロ率とは比例しないのがなんともせつない。
どんどん追い込まれていく那沙とは対照的に、柳瀬が冷静さを失わないのは、この判を押す行為によって“仕事”であることを強く自我に刻みつけていたからではないだろうか。
金銭を絡めることで、後半の三角関係へのつながりに深みが増しているのもおもしろい。

ただ、後半からふたりの関係の変化とともに、登場人物たちが自己と対峙し、そこから新たな道を歩みだす流れは少々強引な印象が。
あと曲が好みではなくて若干引いたけれど、久々に次回作が見たい女性監督に出会えたなと思いました。

個人的に橋本淳は今後も追いかけます決定、徳永えりにいたってはこれからどんどん露出が増えそうな予感。期待を含めてこの点数。
くるぶし

くるぶし