こばけい

月極オトコトモダチのこばけいのレビュー・感想・評価

月極オトコトモダチ(2018年製作の映画)
3.5
オシャレだけど、キレイなだけじゃない。
黒い感情が流れるけど、澄んでいる。
さくっと80分で観れるけど心に残る爽やかさ。
けだるい中に幸福感が垣間見えるテーマ曲が耳に残る。
とても良かったです。

以外思いつくまま
・短絡的だけど、「オトコトモダチ」とちゅーしたい気持ちが沸いたら、それはもう「トモダチ」じゃなくて「オトコ」と認識しているのでは?と思った。「トモダチ」に性愛は求めない。でも思春期は冗談で同性とちゅーしたりしてたなぁ。あの感覚は何だったんだろう。

・なさは怖がりで自分の本音は隠すのに、ヤナセには本音を求めるのがズルくてちょっとイライラした。(たぶん観てる側の自分にも覚えがあるからイライラしたんだと思う)

・持つ者と持たざる者。創り手が持つ感性。創り手同士だけで通じ合えてる感覚。「音楽やってると全部を曝け出すから、恋愛と似てるんだよ」ってよく言うけど。そこまで没頭できるナニカがあるのも、憧れるし嫉妬する。「仲間に入れて欲しいだけ」って、自分も何か持ってないと迂闊に言えないと思ってた。
たまきはとっても魅力的で素敵な女の子で、感性と信念で生きてる所に憧れるけど、そこが怖い。友達で居たら、自分がどんどん空虚な存在に思えてきちゃうから、私は友達になりたくないタイプだなぁと思いました。

・ヤナセの温厚で人当たりが良い、自然体で構えてないのに全然底が見えない空気感。切なくて不思議な魅力的。橋本淳さんの存在感が在って成立してた物語。大満足です。