このレビューはネタバレを含みます
主人公は高学歴なのだが、社会に馴染めず、ずっと実家でニート状態だ。
両親は仲がよく、子供に理解があって、まさに理想的な親だと思うのだが、息子が自立できないでいるのはこの両親の厳しさが足りなかったのかもしれない。
だが、なかなか仕事にも就けないでいた主人公もひょんなことから銭湯の仕事をすることになる。
しかし、その銭湯は裏では死体処理を請け負っていたのだ。
それを知ってしまい、半ば無理やり死体処理を手伝わされることになる主人公。
だが、慣れてくると、誰も知らない裏の世界を知って、その仕事を担うことに段々やる気が出で来るようになる。
そこでは死体処理だけでなく、殺しも請け負っているのだが、さすがに主人公もそこまでは踏み切れない。
同僚の松本君は殺しを平然とやっているプロの殺し屋だ。
そのうち主人公は、ここで殺される人はどうして殺されるのか疑問を感じるようになる。
松本君に聞いても、知らないけど依頼されたら殺るだけだと、淡々と答える。
ゴルゴ13は機械(マシーン)と言われる非情な殺し屋だが、ターゲットを殺す理由は必ず詳しく聞くし、その理由に少しでもウソがあれば、依頼者の命はない。
そして、その理由が気に入らなければ依頼は受けないのだ。
そういう意味では松本君はゴルゴよりも非情なのかもしれない。
だが、実際の殺し屋は、理由なんかには拘らず金さえもらえればいいという松本君みたいなタイプがほとんどなんだろうと思う。
こんな仕事、絶対ないとは言い切れないのが怖い。