藻類デスモデスムス属

メランコリックの藻類デスモデスムス属のレビュー・感想・評価

メランコリック(2018年製作の映画)
4.0
NO COUNTRY FOR YOUNG MEN


すこぶる悪いわけでもないが、とくべついいこともない。溺れてるのでもない。逆風でもないけれど常に風が吹いているみたいで、風が止んだら「あ、そう。」と思わず口に出してしまいそう。そんなときにこの映画をみることは「ちょっといいこと」でもあるみたい。直球のきもちよさがあったけど、思い返すと、あれ、実はけっこうな変化球だったんじゃないか(じゃないかも)。ありふれたところはいくつもあったはずなのに、ひとつもべたではなかった気もする。それは肌理?ではなく、仕上がり?でもなく、ああそうか、表情なのだと思った。「別に」って言うとき、全然「別に」って感じじゃなくてにやけた(誰よりも「別に」じゃないことにしてるのは自分だったりな)。隠しきれない嬉しさにも、ありふれた見栄や鬱屈にも親しみをもてる、気取れてない感じだから楽しいってことも受け入れられる。動けなくなってはじめて電池切れって気づくこともあるだろう。うまい返歌だと思った。かぼちゃスープをつくるときミキサーを使うと洗うのが大変だ。これだから人生はやめられないとは思わないけど、たまにいいことがあることは、いいことだ。