シネマスナイパーF

メランコリックのシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

メランコリック(2018年製作の映画)
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OK?

名言が多すぎる
OK?はもちろん
風邪ひかないでね
楽しみがなきゃ生きていけないんですか?
などなど、たまんねえな!!!


めちゃくちゃ面白い青春映画でした
実在感は役者の皆さんの賜物
突然現れるアクションシーンのクオリティにはビビりますよ
そのアクションシーンを作り上げた松本役の磯崎さんは、多面的な人物を体現したその演技力も含めて僕の中では本作のMVP

編集、そして脚本がめちゃくちゃ良くて、そこは本当に監督の田中さん最高
場面の切り替えだけで爆笑させてくるそのパワー
決して安易に不謹慎な笑いを誘いにいったりせず、あくまで登場人物達の人間味、暖かさが笑いを生んでいるから、心置きなく楽しくなれる
ベタだけど、全く同じ場所を全く同じ画角で写したシーンが繰り返されて、その度に状況が違って、しかも後ろめたさや可笑しさや温かさ、いろんな感情を呼び起こす
他にも、何気ない笑わせ台詞が感動的な伏線になっていたりとか、血を連想させるなぁと思ったアレが終盤で…とか、場面を呼応させた脚本が見事で熱くなるばかり

出てきてからそう時間が経たないうちに、ああこいつダメだぁ…笑と迷いなく思わせてくれる和彦を見事に演じた皆川さんには、この映画を観せてくれて本当にありがとうございますと言いたい
この野心が今後どんな作品を観せてくれるのか心から楽しみです


そして何より僕の心に刺さったのは、この映画の熱き思いですね
僕的には、これは現代日本を舞台にした、ちょっと毛色の違うロッキー
ちょっとどころじゃないかもだけども
何の気なしに燻っている男が、意味を見出せなかった人生に不穏だけれども一筋の道を見つけて、いや、彼自身が見出されて、決行前夜は映画の伝えたいことを語り、そしてひとつの大仕事をやり遂げて、最後は今まで生きてきた中での一番の幸せな瞬間で…
今後彼らがどうなるかはわからないし、それこそロッキーのアナザーエンディングよろしく闇に消えていくようなエンディングもありだとは思うけどさ!!この話の終わりはこうであってほしいよな!!!
あのラストショットで拍手!!!ロッキー大好きマンとしてたまんねえ!!!!
失礼を承知で言うけど、うだつの上がらない方々が情熱を持って規模の小ささ予算の無さに負けることなく作り上げた作品として、ロッキー大好きな自分は最後の画で愛を感じずにはいられなかったし、そういう思いが詰まった映画に感じたからついつい手放しでベタ褒めしてしまう
努力と情熱が本当に面白い映画を作るんだなと


笑いあり恐怖あり恋模様あり、間違いなく面白い
和彦の両親のように暖かく、百合のように純粋で、東さんのようにシュールで、アンジェラのように面白い
時に見せる田中のような突き放した展開や小寺さんのようなクールさが抜群のアクセント
胡散臭い田村を同窓会の一発屋で終わらせないあたりの抜け目ない人物造形が、この映画を愛らしくしている
和彦がドア越しに見つけてしまったその世界が実は和彦を見つけてしまっていたように、僕も出会うべくしてこの映画に出会ったなんて思いたくなるぐらい最高でした
たまんない!!大好き!!!愛してる!!!!