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暗数殺人のowlマンのレビュー・感想・評価

暗数殺人(2018年製作の映画)
3.3
暗数...実際の数値と統計結果との誤差で、なんらかの原因により統計に現れなかった数字の事。主に犯罪統計において、警察などの公的機関が認知している犯罪の件数と実際に起きている件数との差を指す。(wiki参照)

韓国で実際にあった事件を元に、殺人で逮捕されたある男が、全部で7人殺害したことを自白し、それが真実だと直感した主人公は捜索を続けるが。そんな渦中に犯人は証言を覆す供述をする...


私は、“暗数”という言葉を初めて知りました。実際には“暗数”の方が圧倒的に多いのでしょうね...

犯人の言葉に踊らされ、利用され、孤立させられながらも真実に追いすがる姿に、ハラハラドキドキイライラさせられる映画でした。

こういった犯人は、司法取引や裁判を長引かせる為の“奥の手”として、自供以外の犯罪を仄めかすのか、それとも本当に記憶からこぼれるように無自覚で“罪”を犯して思い出すのか、分からないのが気持ち悪く。怖いですね。

韓国ノワールやクライム映画の、進めば進むほど暗くなっていき、気付けば自分が進む道すらわからなくなるような、じめっとした深い闇と湿度を帯びていて、解決後も、視界の隅に黒いシミが残るような雰囲気づくりが凄いです。
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