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暗数殺人のtakatoのレビュー・感想・評価

暗数殺人(2018年製作の映画)
4.1
 久々に骨太な刑事サスペンスものを味わえた後味が実に心地よい。何の救いもない系ではないが、最後のロング・ショットのやるせなさが韓国映画の懐の広さを改めて感じさせられた。

 平山夢明先生が書きそうな犯人のムカつき加減の素晴らしさとか、出てくる人みんなが持っている雑味と嫌味が実に実在感を作品に持たせてくれている。邦画より圧倒的に金を掛けてるわけでなくても、こんなに良い映画撮れるんだから言い訳できない。

 伏線の回収も実に自然で上手くいっているし、最後の瞬間まで気持ちが切れることなく夢中にさせる力が見事。なにより主役のキム・ヨンスクさんがソン・ガンホと同じく地に足のついた存在感が素晴らし過ぎる。
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