たま

ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実のたまのレビュー・感想・評価

3.5
意義のある戦争なんてない。

戦死した者も、その遺族も、生き残った者も、とてつもなく大きな傷を負っている。

ベトナム戦争で、ピッツェンバーガーという空軍の衛生兵に助けられた帰還兵たちが、兵士の最高の栄誉を称える「名誉勲章」に彼を推薦するものの、30年以上も却下され続けていた。 そこには政治の思惑があった。

調査をする主人公ハフマンは、ペンタゴンで働く裕福でエリートの野心家。

曲者の帰還兵たちと接するにつれ、ハフマンもこの問題に真摯に向き合うようになっていく。
それは自ら出世の道を断つことにもなる。

曲者の帰還兵には、ピーター・フォンダ、ウィリアム・ハート、エド・ハリス、サミュエル・L・ジャクソンといったそうそうたる面々。

そして、ピッツェンバーガーの父親はクリストファー・プラマーが演じる。

30年以上過ぎても、戦争はまだ終わっていない。
帰還後もPTSDに苦しみ、後悔や罪悪感と戦っている。
そんな中でも、何としてもピッツェンバーガーに勲章を与えたいと言う思い。
正真正銘の英雄を埋もれされてはならない。
生死を共にした者にしか分からない絆。

この戦いが、いかに過酷で無謀な作戦だったのかを思い知る。


そして亡くなった名優たちを想う映画でもある。
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