地上に降りて殉職した空軍衛生兵ピッツの勇気は、最高の名誉勲章をもって讃えられるべき、と信じる空軍の元上官や、ピッツに命を救われた元陸軍兵たちの30年間にわたる奮闘の実話。ピッツの両親や元兵士を訪ねて証言を得ていくにつれて、徐々にピッツの勲章授与に使命感を感じて変貌する空軍省の若きエリートのホフマンを、静かな闘志と正義感を持って演じ切ったセバスチャン・スタンが素晴らしい。もちろんクリストファー・プラマーやウィリアム・ハート、エド・ハリス、ピーター・フォンダ、サミュエル・L・ジャクソンら老優の存在感はさすが。また妻として夫を正しく理解し、支えたダイアン・ラッドやアリソン・スドルも良かった。ラストの名誉勲章授与式で、大いに男を上げた空軍長官のライナス・リーチは隠れた主役かもしれない。久々にアメリカの良心を見たような気がする。
