かじドゥンドゥン

ハイ・ライフのかじドゥンドゥンのレビュー・感想・評価

ハイ・ライフ(2018年製作の映画)
2.0
死刑囚たちが、宇宙船でブラックホール付近へ派遣され、決死の人体実験に供されている。同行した女性医師が男性死刑囚たちの精液を採取し、本人の意志とは無関係に女性死刑囚の体内へと注入するなど、非人道的な実験が行われる。乗組員たちの精神的な混乱は徐々に増し、次々と危険な船外実験を申し出ては、死んで行く。やがては、女性医師も自殺に近い形で船外へ。その際、彼女は最近生まれた女児が主人公の精液によるものだと言い残したため、唯一その男性だけが子育てを精神的な頼みとして生きながらえる。それでもやがて、年頃にまで育った娘とともに、男は船外実験を決意し、ブラックホールに吸い込まれてゆく。

地球からの通信は途絶え、ひょっとすると地上の人類は滅亡したかもしれず、他方、暗黒へ吸い込まれてゆく父娘の死については決定的な描写がない。長い年月を経た贖罪が成って、宇宙の果てで男は救済されたかのようでもある。