おもち

靴ひものおもちのレビュー・感想・評価

靴ひも(2018年製作の映画)
4.6
 発達障害を持つ息子と腎不全を持つ父の物語。ネボ・キムヒ主演。
 数十年前に別れた妻が突然亡くなり、その妻との子を引き取ることになった父。最初はギクシャクで支援施設に預けようかというぐらいの生活だったが、いつしか心境の変化が起こっていく。ようやく息子を愛せるようになったのに父の病気は容赦なく悪化していき、息子はある事を決断するが...。
 ど真ん中を打ち抜かれたような作品だった、なにせこのストーリーは監督が聞いた実話ベースだそうで。息子の障害を拒絶して逃げるように離婚したり、支援施設に預けるにもかなりの時間がかかる。フレンドリーに接してくれている人も心の中では「障害者だから」と思っているような厳しい現実がしっかり描かれている。このストーリーで「靴ひも」と命名するのはセンスがありすぎて怖いぐらい。良い意味でポスターにあるような朗らかな映画だと思うと痛い目を見ると思う。
 「出来損ないの息子でごめんね」「お前はどこにもやらん、一緒に暮らすんだ」とひとつひとつの台詞が名言のオンパレード。「僕は変な人じゃない、サポートが必要なだけだ」というのが一番ぐっときた。哀愁漂う父と天真爛漫な息子の対比もかなり良く出てた。
 この作品はネタバレ厳禁で是非観てほしい、こういう系の映画では頭ひとつ抜き出てると思う仕上がりで絶対に心に残ると思う感動作。オススメッ!
おもち

おもち