差別主義のグループによって無惨にも殺害された知的障害者の中年男が、田園に佇むカカシの亡霊となり怪異現象を引き起こしていく。非人道的扱いを受けた障害者のリベンジ劇を描いている、サスペンス・ホラー。
仲良しの幼女と一緒に遊んでいただけなのに、「健常者ではないこと」を理由に危険人物のレッテルを貼られて、人生を終了させられた男の物語。肉体労働に従事している田舎町が舞台であり、広々とした映像世界の中で、息苦しいドラマが展開される。
殺人鬼の暗躍を描いている、凡百のサイコ・スラッシャーとは異なり、「本当に、あの男の仕業なのだろうか」という問い掛けを残しながら、因果応報のドラマが進行していく。日本の怪談にも似たテイストになっているため、親近感が湧いてくる。
亡霊と交信しているような言動を見せる幼女が、下卑た大人たちの犯行を見透かしており、毅然とした態度で追い詰めていく展開がカッコいい。あと、重機に追いかけられたときは、縦ではなく横に逃げるべき。
