風来坊

警視ヴィスコンティ 黒の失踪の風来坊のレビュー・感想・評価

3.0
少年が失踪する事件が発生し、自堕落な警視ヴィスコンティが独自のやり方で捜査を進めるうちに少年の家庭教師に疑いの目を向け彼を追い詰めて行くが…。渋いタッチの犯罪ミステリー。

ミステリーとしてはそれほど大きなお話しではないですが、主人公の自堕落で誠意の欠片もないクズぶりが話をややこしくしながらも盛り上げています。容疑者よりもこちらの方が犯罪者みたいな風貌で、アル中で家庭も崩壊していてよくこれで警視になれたなと思います。

主人公が気持ち悪ければ家庭教師も気持ち悪い…。というか主要登場人物全員が気持ち悪い…。主人公と家庭教師の気持ち悪さにまんまと踊らされてしまいミスリードされてしまいました。真相は驚くものの、「騙されたー!」というようなスカッとするものではなく気分が沈みます…。

結局、警視の息子の話しはどっか行っちゃうし中途半端な面もあります。ヴァンサン·カッセルの怪演には拍手を送りたいですね。
良くできたお話しとは思うのですが、自分が好きな感じではありませんでした。構成やミスリードの仕方が巧みで好きな人はガッツリハマるミステリー作と思います。
風来坊

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