しあつん

伊豆の踊子のしあつんのレビュー・感想・評価

伊豆の踊子(1963年製作の映画)
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吉永小百合の踊り子がとてもよい。
お風呂に飛び込んで入ったりと、16歳という生娘のあどけなさが特徴的だが、学生とお風呂上がりに囲碁をするシーンでは多分化粧が若干濃くなっている。初めて異性を意識する瞬間がいくつかあるが、その中でも陰でこっそり涙を流す姿に心打たれる。

頭はいいが、日常から離れたくて勉強をあまりしていないのに踊り子の前だけで勉強してるふりをする学生が可愛らしい。

曖昧な場所の情報「葡萄畑」から具体的な「甲府」という地名を連想するなど、男女の会話というものは時に推理小説めいていて面白い。

勉強第一で、学者になる夢(カントが専門か)を叶えた主人公の一瞬だけの美しすぎる青春。回想形式で物語が進むが、終わり方の音楽の流れ方がお洒落すぎた。
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