リラリオ

トゥー・ダストのリラリオのレビュー・感想・評価

トゥー・ダスト(2018年製作の映画)
3.8
最愛の妻リヴィをガンで亡くした敬虔なユダヤ教徒シュムエル。「これも神の思し召し…」だが、悲しみは癒えず…腐る皮膚や灰の夢を見るようになる…。

悪夢を見るようになり、リヴィがどうやって土に還るのかを知りたくなったシュムエルは、ラビに聞く→「妻の魂が苦しんでいないか不安なんです…妻はどうやって土に還るのですか?」→ラビ「そんなこと考えるんじゃねぇよ…てか息子たちのこと気にかけろや…」
どうしても知りたいシュムエルは葬儀場へ行き棺販売員に聞いてみる→「木の棺に入った遺体は…どれくらいで腐敗します?」→「科学者じゃねーし…知らねぇよ」

科学者を探しに大学へ。生物学教授のアルバートを紹介される→「すみません…恐ろしい妄想に取りつかれています…」→やべぇ奴が来た…逃げ腰のアルバート→「お願いします!死んだ妻が心配なんス。土に還れるまで魂が苦しんでないか…妻の死体はどうなるのか教えて欲しいっス!」

アルバートは脂肪の付き方や毛深さが人間に最も近い豚の腐敗実験の結果が書かれた法医化石学の本を見せる→「で、土に埋めた場合は?」→「それは…豚を土に埋めたら分かるかも…」

また悪夢と妄想→こうなったら…中華屋で豚を購入し土に埋める→「豚を土に埋めたんだけど…次は何する?」アルバートに報告→「えっ?土に埋めろなんて言ってないけど…」→二人は土に埋めた豚を見に行く→アルバート「正確に実験やるとしたら、内臓処理のされていない新鮮な豚が必要だな…」嫌な予感…。

明らかに様子のおかしいシュムエル。子供たちの間でディブク(悪霊)を食った!と噂される。
息子「パパ、ディブク食べたんかな…マジおかしいもんな…」

父さんの奇行はまだまだ続く…シュムエル、生きた豚を入手(窃盗)→教授宅へ→「マジかよww」→「私はユダヤ人…豚は盗んだ…あとは君が殺せ」→「マジかよww」
何だかんだあり…豚、ビニールで窒息死→棺に入れる→厄介なことに巻き込まれたアルバート「お詫びのしるしに豚に名前付けるか…」豚に名前をつけることを提案→ハロルドに決定→ハロルドを土に埋め、4週間放置→ハロルドを掘り起こす→膨張段階→ハロルドをまた4週間土の中で寝かす。

息子たちが悪さをし、学校に呼び出されたシュムエル→訳の分からないことを言って息子たちをビビらす→「パパ…怖いよ…」→アイラブユーを強要→その晩、息子は悪夢にうなされる。

4週間経ち、ハロルドを掘り起こす→棺を開ける→「えっ…豚のままじゃん…どういうこと?」ガチギレしだすシュムエル→「いやいや、内側からちゃんと腐敗しとるよ…至って順調、本格的な腐敗だ!」→シャベルをぶん投げ暴れ出すシュムエル→なだめるアルバート→何が目的で何を望んでいるのか…自分でも分からなくなるシュムエル…。

アルバートはリヴィの墓の土とハロルドを埋めた土のpHを調べ、リヴィの腐敗がハロルドより進んでいることを証明しようとする。
しかし結果は、ハロルドの腐敗大幅リード。
この結果にまたガチギレするシュムエル。アルバート「…これだけじゃ何とも言えないよ…ただの推測にすぎない」

父ちゃんが悪霊に取り憑かれたと心配する息子たち→深夜の悪霊祓い→母のススメでお見合い→レモネード→やっぱ無理っス!→アルバート「死体農場に死体見に行こうぜ!土に埋めたり野ざらしにしてあるらしいぜ!」

「死体農場」…人間の腐敗を観察する法医人類学の研究施設。
二人は遺体がどうやって腐敗するのかを知るための旅に出る。
果たして魂の行方は…。

妻の死を受け入れられない男の狂気の大暴走に振り回される大学教授(笑)
腐敗の行方を知ることで愛する人の死に向き合う…なかなか面白い内容でした。
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