セッセエリボー

カンボジアの失われたロックンロールのセッセエリボーのレビュー・感想・評価

4.3
とてもつらい。カンボジアロックがまるで違ったものに聞こえてくる。一体これほどの短期間にこんなすさまじい殺戮がなされたことが他にあるんだろうか…当事者本人の口から話が聞けるミュージシャンがほとんどいないのも心が痛む。しかしその時代を生き抜いてここで口を開いてくれた人たちにとても感謝したい。
華やかなる50年代から次第にきな臭さを増す70年代半ばまで、フランス・カリブ・アメリカといった影響源の変遷を社会情勢と絡めて丁寧に辿る良作だった。各時代の主要ミュージシャンもおさえられるが名前が全く覚えられない。"You've got a friend"がこんなに皮肉に響くのは初めて見た。