かーく

プロメアのかーくのネタバレレビュー・内容・結末

プロメア(2019年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

私には合わなかった
音楽はとても良かったのですが音量が大き過ぎたのか所々キャラの声が聞こえない所があり気が散った
登場人物達の主張がどうも受け入れにくい
特にリオがバーニッシュが火を起こすのは内なる声(衝動)に従っているため、人は殺さない、逃げ道は作っているとほざいた時は流石テロリストだなぁ頭おかしい(失礼)と呆れを通り越し感心してしまいました
仮に私が「気が昂ると破壊衝動が湧き上がる。だから物を叩いたり壊したりする。でも人は傷つけない、プライドがあるから」と語ったら「そうかそれなら仕方ないね」となるでしょうか?病院行けと言われるのが精々でしょう
直接殺しをやらないことがなんの免罪符になるのでしょう
二次災害の概念はないのでしょうか
そして命の危機に晒された人は肉体は損傷せずとも精神に傷を負うかもしれない
仮に人間が犠牲にならずとも街は破壊される
燃え盛り鎮火のために壊された建物の修繕費は誰が出してくれるのでしょう
あのテロリスト達が払ってくれるのでしょうか
施設が直るまで仕事にならない人達だっているのではないでしょうか
それら全てを無視してこれが俺達のあり方だと誇りを持って主張されて受け入れられますか?私は無理です
そしてこの主張に対し消防隊員である主人公は声を上げるべきだった
本編でも救命も仕事の内であると語っていましたよね?
なぜそこで考え込むように口を閉ざしてしまうのか
本音では火を消すことだけが大事でそこに住まう人達、その生活はどうでもいいのでしょうか
主人公が繰り返し言う「俺は馬鹿だから」
こいつは馬鹿だから細かいことは考えなくていいんですよという言い訳にしか聞こえません
彼はバーニッシュ達が置かれている立場、人々の中にある偏見についてちゃんと向き合えているのでしょうか
序盤でガロが発したバーニッシュへの差別的発言に対しバーニッシュ達へはっきり謝罪するなり認識を改めたことを伝えるなりするシーンでもあればまだ良かったのかもしれない
ガロはリオからバーニッシュ迫害のことを聞く⇒クレイの元に突撃する⇒捕まって終盤まで箱の中なのでリオ以外のバーニッシュとろくに関わってないんですよね
だから「降りかかる火の粉も払ってやる」なんて言われても、リオ個人に対してはともかくその他大勢のバーニッシュに対しても同じように扱ってくれるのかどうも信じきれない
リオの炎を「逆ギレ」と評したのも理解し難い
どの辺が逆なんでしょうか
仲間を燃料にされることに対する怒りは逆ギレと言われるものなんでしょうか
最後に「次元の扉を閉じたから能力はなくなりました」と取ってつけたように喋り始めた時はため息が出そうになりました
お前それでいいんかい
アイデンティティじゃなかったの?理由は分からずとも誇りを持って炎と共にあったんじゃなかったのか
地球の危機の前では些細なことかもしれないけどさ……
バーニッシュも地球の危機もどうやって蹴りつけるのかと思ったら終盤で主人公が頭を悩ませるまでもなくその名の通りデウス・エクス・マキナが登場して万事解決!
いいけどさ……本当に馬鹿な主人公は何も考えなくていいんだね

唯一マシだなと思ったのは悪役のクレイ・フォーサイトで、彼は立ち位置がぶれず一貫として悪役であり目的も手段も変化しなかった、そして作物を育てる田畑を作るためのビームやら対太陽フレアの武装やらを準備し移住後の未来のこともしっかり考えていたのでまだ良かったです

メインテーマではないにしろわざわざバーニッシュの能力の表現としてわざわざピンク・トライアングルを用いてる辺り差別についても盛り込みたいという想いはあったのでしょう
こんな雑な扱いしか出来ないのなら味付け程度でも入れるべきではなかった
いっそそれこそバーニッシュは別次元からきた特殊能力持ちにでもして拳で異種族交流とかしてくれれば細かいこといいんだよとなったかもしれないのに
かーく

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