原作既読
可もなく不可もなく、原作をきっちり映像化しているという点で秀作
ただ、映画版らしい作画というわけでもなく、テレビ放映版のクオリティのまま14話(90分)といった感じ
演出とレイアウトが甘く、テレビ放送とスパンをあけないようなスケジュールで作ったのがわかってしまう
もともと原作も1巻時点で『ゆめみる〜』で綺麗に終わる作りのため、テレビ版がハネたから予算が追加されるみたいなこともなかったのだろうけど、それにしてもいま一歩という感は否めない
ハッとする演出とまではいかないが、OPで走る134号線と同じロケーションを失意のままに歩くシーンという対比はよかったかも
ストーリーに関してはそのまま原作の話になってしまうが、学園ラブコメモノのラノベで売れてるやつは、わりと説教くさいというか、ティーンの悩みがあって、それを「こうすれば上手くいくよ」という救済手段の提示の形になっている形のものが多いような気がする
これは、思春期特有の悩みに苛まれている当事者10代たちにとって良い澪標となる反面、どうしても「大人の目線」の香りを感じてしまう
昔からあるメサコンらしい根幹は変わらずなのだが、その上で「作者自身が一人称の主人公と同化し、ヒロインの抱える問題と対峙し悩んで書いた」というよりは、「問題設定をしてから、それに一般的に良いとされる解決法を提示してあげる」ようなプロットになっているように思う
これは特に原作での双葉の話で強く感じた
リアルで地に足のついたストーリーが多い中、読んでいて感じる「こういうことあったらなぁ」という「憧れ」の射程が、昔のラノベとは位相を異にしているというか
つらつら書いたけど、そもそもおれが歳を食っただけの話かもしれないし、この辺はまぁどうでもいいかとも思う
前述もしたが、原作1巻とこの「ゆめみる少女」だけが、ドラマ(あるいはフィクション)をしっかりやっている印象だが、少なくとも観て損はない作品なのは間違いない