ペコリンゴ

ドアマンのペコリンゴのレビュー・感想・評価

ドアマン(2020年製作の映画)
3.5
記録。
悪人どもに、最高級のおもてなし!

『ノー・ワン・リブズ』『ダウンレンジ』といった快作を世に送り出してきた北村龍平監督の最新作。

内容としては、要人の護衛に失敗したトラウマを持ち、高級アパートのドアマンとして働く事になった元軍人の女性が、アパートに乗り込んできた強盗団と死闘を繰り広げる…的な単純明快ストーリー。

一言で言えばスケールの小さい『ダイ・ハード』といったところか。

『ノー・ワン・リブズ』同様にハリウッド制作ではあるものの、もともと低予算だったのか、あるいはジャン・レノのギャラに消えたのかは定かではないが、アパート内に在留しているのは僅か2世帯のみで、改装中という設定からかアパート自体もそんな高級には見えない。なので画としてはちょっと地味め。

とはいえ、主演のルビー・ローズは元最強軍人よろしく、『ジョン・ウィック:チャプター2』で見せた以上のキレのあるアクションをこなしていると思うし、そこらの男よりよっぽど男前でヒロイック。因みにこの役には元々ケイティ・ホームズがキャスティングされてたらしい。

悪党のボス役、ジャン・レノは歳のせいなのか演出が悪いのか、それとも単純にやる気がなかったのか、なんだか精彩を欠く印象で悪役としてのカリスマ性が皆無なのが残念。

ちなみに悪党の下っ端役で伊藤英明が出演している。本作が彼にとってのハリウッドデビュー作となるらしい。セリフやメインで映るシーンこそ少ないが、主役とのアクションもしっかりあって、一つ前にレビューした『ロックダウン・ホテル』の釈由美子とは対照的だ。

まぁ過度な期待をしなければ普通に楽しめるアクション映画だと思います。