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ドアマンの鰹よろしのレビュー・感想・評価

ドアマン(2020年製作の映画)
2.5
 要人とその娘の警護に失敗した海兵隊のアリは、トラウマを抱えそのまま退役。アメリカに帰国後はニューヨークにいる叔父のツテでとあるアパートのドアマンとして働くことになるのだが、着任早々強盗団と邂逅するのだった...

 多種多様な(というか癖のある)人間が住む高級高層マンション(アパート?)という場及び通例男の仕事ドアマンという職種がどう機能してくるのかと思えば、

 改装工事だかで当初より住人たちは退場してしまっており、彼女自体もドアマンという職について間もなくその仕事がどういったものなのかという理解も怪しい段階で地の利もへったくれもなく、しかも事件が起きるのはオフの日で制服に身を包んですらいないという。別段女性であることも特に・・・

 海兵隊で身に着けたスキルとドアマンという職で身に着けたスキル及び築き上げた信頼のハイブリッドな戦い、ざっくりとは一介の〇〇が実は超人戦士だった~というスティーヴン・セガール映画の様相を期待していたのだが・・・

 主人公のトラウマの克服だけでなく家族の和解も軸に据えたことで、本来彼女独りに求められるはずの能力を家族という単位に分散させざるをえなかったことが彼女の魅力を減衰させてしまっている原因だろうし、強盗団たちもやたら段取りが悪くもっとやり様があったのでは?とする疑問が噴き出すほどにトロイのもまた一因か。

 トラウマの克服がメインであれば守るべき家族の存在は血縁でなく疑似的なモノの方がしっくり来ただろうし、逆に家族の和解がメインなら彼女のトラウマに家族をダブらせない方がこれまた良かったはず。なんともチグハグというか中途半端ながらも、惜しさを感じさせる作品ではあった。


「パニック・ルーム」(2002)...「エンド・オブ・ホワイトハウス」(2013)...「ミッシング・タワー」(2017)...「リーサル・ストーム」(2020)...
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