広島カップ

砂漠の鼠の広島カップのレビュー・感想・評価

砂漠の鼠(1953年製作の映画)
3.5
ロバート・ワイズ監督の作品群をみるととてもその守備範囲が広いのがわかります。どことなくウイリアム・ワイラー監督に似ています。

彼はなんといっても『ウエストサイド物語』(1961)『サウンド・オブ・ミュージック』(1964)といったミュージカルで知られていますが、本作のような戦争映画や『拳銃の報酬』(1959)のようなフィルムノワール、『傷だらけの栄光』(1956)のようなヒューマンドラマ、『アンドロメダ...』(1971)のようなSF作品、『ヒンデンブルグ』(1975)のようなパニック映画、『スタートレック』(1979)のような人気シリーズ作品までもなんなくこなしてしまいます。
しかもいずれも一定のクオリティを保っていて所謂"駄作"と評価されるものがないイチローのような広角に打ち分けるアヴェレージヒッターとして映画界に君臨しました。これは大変な偉業だと思います。

本作も堂々たる戦争映画で砂漠における両陣営のバトルも迫力があるし、兵隊の間の人物模様もちゃんと描けています。

彼のいずれの作品においても人物描写がしっかりとしているということは共通していて初期の本作を観ていると、その辺りはずっと貫ぬいていた人なのだなあと思います。
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