◆あらすじ◆
フランスのパリに暮らすマチューは自己免疫疾患のためにカプセルの中で生きる娘のサラのために世界を巡って治療法を探していた。ある日、地震が発生してそれとともに謎の霧が街中を飲み込み始める。マチューは妻のアナとともに霧の届かないアパートの上階へ避難する。霧が少しずつ上がってくる中、マチューとアナはサラを助けるために行動するのだが...。
◆感想◆
毒霧に飲み込まれた町の中で娘を救うために両親が奮闘する姿を描いた作品であり、地震により発生した毒霧が富士山の山頂から見える雲海のように町を飲み込んでいる姿が印象的でした。
ストーリー展開は霧の発生後、カプセルの中の娘サラとそれを助けるために動き回るマチューとアナを中心に描かれており、テンポは悪くないと思います。
マチュー(ロマン・デュリス)は頑なにサラの治療法を捜し、妻のアナ(オルガ・キュリレンコ)はサラの治療法が無いと諦めながらもサラのために尽くす人物として描かれており、ともに「娘のために」という気持ちが伝わってくる夫妻でした。また、娘のサラ(ファンティーヌ・アルデュアン)も普通の少女で毒気のないキャラクターでした。
マチューたちは酸素を求めて行動するのですが、その毒霧の中でのストーリーの中で所々、頭の中に引っかかる部分があって、それが邪魔して素直に観ることができませんでした。犬の親が死んで子供が生き残って、と思ったら普通の大人の犬が襲ってきたりと「なぜ」と思う部分がありました。私の気にしすぎかもしれませんが。
ラストは皮肉的で個人的には面白いと思います。
「娘を救う」という一点に絞った点はとても分かりやすくて良かったと思う一方、人の悪意的な描写が少なくすんなり行き過ぎてインパクトに欠けるようにも思えました。贅沢言い過ぎですね。
普通に面白かったと思います。
鑑賞日:2024年1月27日
鑑賞方法:DVD