たぶ

第三夫人と髪飾りのたぶのネタバレレビュー・内容・結末

第三夫人と髪飾り(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

第三夫人と聞いて、張芸謀監督の「紅夢」を想い起こす。ひとつの名家の中で女たちのドロドロドラマを想像するが、実際はそこまでドロドロではないが、なかなか辛い物語。

とにかく、ベトナムの霧に包まれたしっとりした景色が素晴らしい。華僑文化が色濃い建物と、女たちのカラフルな衣装。
これだけでも見る価値はあると思うし、直接的な演出や台詞は極力抑えめな感じもまた素晴らしい。

自分が息子を産みたいと願ったから第一夫人が流産したと思い込んだり、同性愛に目覚めたり、結局女の子を産んでしまったり、ひとつひとつ成長していく姿は見応えある。

息子に嫁入りに来たあどけない少女が、自分に否は無いのに、一家の恥として扱われる理不尽な世界。辛い。

へそに生卵は儀式のひとつなの?

ニャンが「男になる」と宣言した通り、ラストの決心の断髪。

女たちそれぞれの境遇や思惑が見えるが、ちょっと女性キャスト多くてどれに感情移入すればいいのか分からず注意散漫になってしまった。映画という2時間弱では足りなくて、連続ドラマぐらいの尺があれば、もっとそれぞれのキャストの個性やエピソードを盛り込んで感情移入できたはず。
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