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第三夫人と髪飾りのinukoのレビュー・感想・評価

第三夫人と髪飾り(2018年製作の映画)
3.9
ベトナム本国での上演が、わずか4日で打ち切りになったと話題になってたので、気になっていた。(主演の俳優の母親へのバッシングや、政府から再編集の要請があったことに応えての、監督自らの決断だという。)
画面がとにかく精緻で美しい映画だった。
そして全編揺るがないフェミニズム映画だった。
主人公を初め3人の夫人、その子どもたち、使用人の女性も含めて、様々な女性の人生をミニマムに散りばめている。
逆に男性の登場人物の印象は薄くて、最後まで顔があんまし覚えられないくらい。
きっと100年近く前の時代の話であろうに、やはり現代の女性の人生にも大きく重なる部分が多くて、単なる昔話に収まらない。
タダモノではない作品だった。

映画としては、「キム・ジヨン」より衝撃があった。というかむしろ、こっちの方が「キム・ジヨン」の原作の質感に近い気がした。
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