2022/6/10
舞台となるのは、ロヒンギャ難民の溺死体で埋め尽くされているタイ沿岸の村。が、難民についてはほとんど触れられないため、人権に重きを置いた作品という印象はなし。重傷で意識不明の男と彼を助ける金髪の男、二人の男性の日常がそこにあるのみ。“トンチャイ”と名付けられた男は何も話さないものの、彼に様々なことを教える金髪の男がとても優しい。元妻と別れたこと、森の中で光る鉱石のこと、部屋を電飾でいっぱいにすること。この部屋だけでなく電飾が多分に使われ、幻想的でゆったりとした時間が心地好かった。ただ、元妻が登場した辺りから失速した感があり、最初から最後まで二人の男性だけで良かったかな、と思う。象徴的なシーンが多めで全てを汲み取れてはいないけれど、作品の雰囲気自体は好き。
