geji

先に愛した人のgejiのレビュー・感想・評価

先に愛した人(2018年製作の映画)
4.0
良かった。

色彩が好き
服も可愛い 部屋も可愛い
ロイチウが本当に美しかった

アウティングしちゃう母親:
ある人のセクシュアリティについて勝手に第三者に言いふらすのは「アウティング」という行為。

母親のホモフォビア:
ゲイであることを「変態」perversion性的倒錯と見なし、「病院で治療」しようとする。「正しい」異性愛から「逸脱」した性指向は病気という考え方。女である自分が誘えば、夫は喜ぶだろう、喜んでしかるべきだという考え。
異性愛規範に縛られて生きている。「誰もがうらやむ幸せな家庭」を作らなければいけないという強迫観念。

ジエの年配の母親がバスの中で同性愛に肯定的な反応を見せるところは、アジアで初めて同性婚が法制化された国らしいとも言える。

離婚しないためにはセックスが重要:
ラブロマンティックイデオロギーの言説。
結婚という制度的な契約を継続するために、妻が身体を差し出して引き止めるべきという価値観=女の身体は対価、モノであるという価値観を内面化している。

男性の恋人がいながら、女性と結婚して子どもを作った父親:
彼は無責任だ。しかし同時に異性愛規範と結婚や子づくりへのプレッシャーの強さが彼をそうさせたということでもある。
そもそも多様な恋愛や家族の形が担保された社会なら、彼がそのような選択をすることもなかっただろう。
それにしてもなんかもっとあっただろと思うけど。

親の子へのプレッシャー:
中国(台湾)では、親は自分を犠牲にして子どものために尽くし、子どもは大人になって親に恩返しをするという価値観が非常に強いらしい。
母親が押し付けがましく見えるのも、そういった価値観の中で彼女なりに精一杯努力していると彼女が思っているから。

言いたいこと言う母親いいなとも思った。
geji

geji