先に愛した人のmoonのレビュー・感想・評価

邦題に納得。死んだ父親の恋人に激怒した母親とその息子の奇妙な関係を描いた作品。ビビッドカラーの映像とコミカルだけどリアルな親子の掛け合いに冒頭から釘付け。清々しいほど容赦ない現実と割り切れない感情を「これも人生です」と言わんばかりに展開していくのが台湾映画の特徴なのかな。去る者に対して夢を抱かせず思い出と共に手放す過程を描くのが本当に上手。そういう意味では別の台湾映画 #弱くて強い女たち と通ずるものがある。父親の恋人 母親 息子 それぞれ違った感情を抱きながらも三人とも愛されたかったという思いは同じだった。