高齢男性がカルテルの運び屋となり、道を走り、実績を重ね、後戻りできない地点まで到達してしまう。違法に踏み込んでいく一方で家族との時間の大切さに気づいていく。
かつて賞金稼ぎで、刑事だったクリント・イーストウッドはこの時88歳。アップで全身が映ると、その貫禄と細くなった腕に老いよりもはるかに強い凄みを感じないではいられなかった。
強いおじいさんの役ではない。孤独な花を育てているおじいさんだ。ただそれでもかつて拳銃を持ち大立ち回りを演じていた面影をありありと感じる。そうイーストウッドはまだまだ強い。
今回の映画を鑑賞してまだまだ彼の映画人生は終わらないと確信できた。主演の次回作を心待ちにしている。
余談でアントマンに出演していたマイケル・ペーニャが真剣な役を演じていててやっぱり名俳優だなと感じた。