クリントイーストウッド、老人の運び屋を描いた実話に基づくフィクション。
ストーリーは本当にシンプル、展開も読めれば、序盤の段階でオチが予想でき、実際にその通りになるほど捻り的な要素はほとんどない。
しかし、小難しい要素は一切ない代わりに、主人公の年齢、老人という要素をフルに活かし、他の映画ではなかなか体験できないソワソワ感というのか、予想できるエンディングに向かって欲しくないという感情を主人公を取り巻く環境や人間性がどんどん捲し立ててくる。
こんなにシンプルながら惹きつけられる演出ができるのはさすが。
ただこの映画は観る者の個々の家族との関係値や価値観に大きく左右されるとも思う。
クソジジイと思えばそれまでだが、おじいちゃん子おばあちゃん子であればもうハラハラしてたまらない。
クライムとヒューマンが絶妙にマッチする良作。
