ケンジモンデン

映画ドラえもん のび太の月面探査記のケンジモンデンのレビュー・感想・評価

4.5
ドラえもん×辻村深月
昨年の川村元気に続く強力タッグ。
楽しみすぎて観る前に小説版買っちゃった。

個人的には
スタンダードながら秀逸な伏線回収、
ドラえもん好きにはたまらない1本でした。
昨年の「宝島」超え!

今回のテーマは
ドラ映画鉄板である「異世界の住人との友情」。
月面人(?)との交流です。
ドラ映画の魅力というか見どころは
作品によって色々あるんですが
新しい友だちの心の声をいつのまにか感じ取り
すっと気持ちに寄り添うのび太のスーパーインクレディブルな優しさには
いつも感動します。
お前だよほんとのイケメンは

また並行して
ジャイアンの男気、
スネ夫の臆病さからの勇気、
しずかちゃんの知性、お風呂(違う)、あざとさ(違う)
といった、映画ドラえもんに欠かせない要素もふんだんに盛り込んでいて
ああぁもう辻村さん好き!!という感じ笑


あと特筆すべきは
「異説メンバーズバッジ」。
バッジをつけている人だけがその異説を信じた状態になる
という、原作コミックにも登場する道具がキーアイテムとなり、
「月にはウサギが住んでいる」と信じているのび太の異説を
現実化させるところから始まるのですが、
この道具が最初から最後まで物語をリードしていくところがすごい。
いろいろな角度でこの道具に意味を持たせ、大きな伏線になっています。
最後に「そういう使い方があったのか!」と驚いた。
普段「のび太道具に頼りすぎじゃないか説」をお持ちの方も
この道具なら許してくれるはず。笑


たとえばクレヨンしんちゃんの映画は
「野原家」「かすかべ防衛隊」という不変のチームに対して
ハプニングが舞い込み、
それにチームで立ち向かうのが王道パターン

対してドラ映画は
「ドラえもん・のび太・しずか・ジャイアン・スネ夫」という不変のチームが
自ら冒険に飛び出し
そこで新たにできた友だちのピンチを救うのが王道パターンで、

今回はこの王道を気持ちいいほど貫いてくれているので、
見ていてとても楽しいのです。
違う世界にいても、優しさがあれば誰でも友達になれる。
はなれていても、友達はいつだってつながっている。
それを感じさせてくれるのがドラ映画だなぁと思います。


ついでにドラマニア視点で言うと、
ドラえもんの「壊れてお詫びする!!」(+巨大ハンマー)
が久々に見れて嬉しかったです笑
(「海底鬼岩城」以来、36年ぶりのセリフだよ?ヤバない?)


ほかにもいろいろ語りつくせないですが
ファンのツボをいい感じに突いてくる
辻村さんのドラ愛を感じる作品でした。
小説また読み直そう。。。