エイドリアン・ライン監督版『ロリータ』
"Always yours"
原作未読、キューブリック版は鑑賞済み。
これは面白くなかった。エイドリアン・ライン監督らしいといえばそれまでだし、病的なロリコン男の変態ぶりや哀れさを描き切った点は評価すべきなのかもしれないが、露骨で挑発的なエロ描写・変態描写がとにかくしつこく、嫌悪感を抱いた。
キューブリック版もそんなにハマった訳ではなかったが、同じ題材でも監督が変われば、作品の印象も全く異なる。キューブリック監督はロリコン趣味に溺れていく男を描きたかったのに対し、エイドリアン・ライン監督はロリコン趣味そのものを描きたかったように思えてならなかった。(衣装、メイク、歯の矯正器具、飲食物、ロリータの演技)
ジェレミー・アイアンズは、クローネンバーグ作品を中心に、倒錯的な人間を演じることが多い気がする。『ミッション』で敬虔なキリスト教宣教師を演じていた彼は何処へ。
気に留まったキューブリック版との相違点。オープニングとエンディング、ダンスパーティーシーンが無い、母娘の仲が明らかに悪い、家政婦やホテルボーイなどアフリカ系アメリカ人が登場する。
ドア部分だけ木製のクラシックカーがお洒落。自動演奏なんかい🎹!
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