こぅ

ロリータのこぅのレビュー・感想・評価

ロリータ(1997年製作の映画)
3.9
ロリコンの語源
としても有名な、ウラジーミル・ナボコフ原作のベストセラー小説を、鬼才S・キューブリックが映画化した問題作のリメイクで、
エイドリアン・ライン監督による、
異色の【ラヴ・ストーリー】。

一説で
S・キューブリック版より人気⤴︎という
カナちんのオススメ作品を鑑賞〜


大学教授のハンバート(ジェレミー・アイアンズ)は、アメリカの大学での教職に就くためにパリからやって来たが、新学期が始まるまでのひと夏は保養地で過ごすことにした。
その下宿先の14歳の娘、ドロレス"ロリータ"(ドミニク・スウェイン)に心を奪われる…。


アヴァンタイトル、
サイドシートに銃、フラフラ運転のハンバート、
一体何が⁈⁈
モノローグで回想に入る〜

冒頭、
1921年、カンヌ。14歳。ハンバートがロリコンになった理由、経緯が短く語られるが、
短尺の為、感情移入や同意は到底出来ない。
ハンバートの恋愛観(対象)は少年期でストップしている。
ロリコンになる スイッチ とかあるのだろうか⁈
という疑問は湧いた。

26年後(1947年)、
シャーロット・ヘイズ夫人の家に下宿。
そこで娘のドロレスに衝撃的一目惚れをする、、
「美しい…」
最初は軽い気持ちながら徐々に常軌を逸し、確信へと変わる⁈様を描く。
ハンバートとドロレスとの 間柄 は、良くも悪くも重要な要素(深み)になっている。

エイドリアン監督の演出は、
ユーモア的でもあり、劇的でもある。
そして 脚フェチ 確定やないか‼︎
E・モリコーネの劇伴も良い。

クライマックスには、
「本当にドロレスを愛していたのか⁈勘違いか⁈」
観る者のみならず、ハンバート自身にも答(決心)が出るのだ。


総評:
スタンリーが取り上げるくらいだから安易な オジサンと少女の恋 なんて一筋縄で片付けられる訳がない。
観る者を選ぶテーマ(プロット)であるが、少なくても鑑賞前に抱いた キモ変態イメージ では無い。
原作未読、キューブリック版未見で不明だが、露骨な描写 は皆無。
ハンバートの真実の愛が描かれた 高尚 な作品。
兎に角、ドミニク(17)*の ニンフェット っぷりは一見の価値あり‼︎
振り回されるハンバート(ジェレミーも適役)。
普段は 天真爛漫少女 なのに時折見せる大人の顔(妖艶さ)は正に小悪魔〜。
そのキョーレツな印象が本作を決定付けている。
EDロール直前と直後にもドロレスのショット(マインドコントロール的)を持ってきているその徹底っぷり‼︎

ただ、、
ロリータ役がキュートじゃ無かったケースだとどうだったのだろうか⁈単に少女なだけじゃダメなのか⁈
これ(ハンバート)はロリコンと呼べるのか⁈ロリコン定義が不透明で色々と疑問ありで困惑
(本来ならノースコにすべきだが)した。


これはTHE・問題作だなぁ。
本家、スタンリー版
を鑑賞しない事には相違点、軍配も分からない。


*注記
ドミニクは魅力的過ぎて逆にミスキャストとも言えるかもしれない。
こぅ

こぅ