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薬の神じゃない!のkotのネタバレレビュー・内容・結末

薬の神じゃない!(2018年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

タイトルからしてエンタメ作品かと思っていたが、内容は実話をベースにした、ゴリゴリの社会派作品だった。
メインは、慢性骨髄性白血病の治療薬であるグリベックであり、当時4万元(現在の日本円で78万円程)もする高額薬である。
患者からジェネリック薬の密輸を頼まれ、お金のためにインドに渡る主人公。
当初は5000元で売っていたが、紆余曲折があり、終盤では採算度外視で500元で販売。遂には警察の捜査が入り、捕まってしまう。
物語の前半では、主人公の人間性が好きになれなかった。感情的になると暴力に走り、お金が入ると豪遊し、薬の代わりに患者の母親に体の関係を求める(これは未遂に終わったが)。
しかし、密輸チーム仲間二人の死を経て、義侠心を発揮。失った人望も取り戻していく。
主人公の犠牲が功を奏したのか、主人公の投獄後、グリベックが保険適用となり、中国の医療改革も進んだという。
日本でも調べたら当時グリベックによる経済的負担は大きいと問題になっていたようなので、他人事ではないのかもしれない。
警察に切々とジェネリック薬の販売許可を訴えるお婆さんの言葉が心に沁みた。
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