TAMU

薬の神じゃない!のTAMUのレビュー・感想・評価

薬の神じゃない!(2018年製作の映画)
4.2
GoToランチビールをかましてからの、ちょうど良い時間にやっていた本作を予備知識無しで鑑賞。
日曜の昼下がりにコメディを見て、つまらなければ寝る作戦w

ところが、笑いあり、涙あり、アクションありで、韓国映画でいうところの『タクシー運転手』、『マルモイ』的な傑作。

金目当てで密輸した白血病の薬が、高額医療に悩む患者を救うことになり、なんだかんだで患者のために命がけの戦いに身を投じる男の物語。

舞台は2014年の上海。実話ベース。
国から正式認可を受けているドイツの薬品は高額。一方、その1/5以下で売るインドの薬品は成分が変わらない。
陰には未認可の薬剤を偽薬として、警察に圧力をかけるドイツの会社役員。

はー、これ本当に中国映画?
過去の話とはいえ何千といる生きられた命を救えなかった共産党政府を糾弾してるんですけど💦

台湾映画だったら分かるのだが、中国映画てこんなドラマチックに批判精神高めの社会派映画作って良いんでしたっけ?
今の日本は『記憶にございません』だから負けてないか心配。。。

本作の魅力はキャスト。1人も役者を知らずに臨んでいたのだが、終わってみれば、個性豊かな密売組織の5人が愛おしい。

中でも主演チョン・ヨンを務めたシュー・ジェンさんの演技は素晴らしい。『ワンドゥギ』のキム・ユンソクを彷彿するというか、若い頃の渡辺徹感というか、憎めない憎らしさw

そして通称”黄毛”の金髪男子を務めたチャン・ユーさんも忘れられない表情、味のある演技。
髪を切って、「切れって言ったじゃないですか」で笑顔を見せてからの展開がなんとも。

監督はまだ35歳。ちょいと、この監督は押さえましょうかね。
中国エンタメ、来てる気がする!(知らなかっただけだけど)
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