のこのことなんとなく、帰ってきましたぁ！
就活始めなきゃいけないんですけど、そんなん関係ない!!笑
4人のピアニストに焦点を当てた今作。
そのうち、傍から見れば3人は天才。
だけど、彼らからしたら全然違う。
一人一人に苦悩がしっかりとあるんです。
そもそも、彼らには才能の有無はどうでもよくて、その先しか見ていない。それを天才というのでは？と思ったり。
そして、残った1人の凡人サラリーマン。
天才になり得なかったこの人物を松坂桃李が繊細に演じる。
生まれて間もない頃から英才教育を受けてきた天才を前にして自分の立ち位置を自覚しながらも、ピアノを手放せずに妻子を持ちながらコンクール本戦への切符を掴もうと奮闘する。
妻に八つ当たりしちゃったりしながらも、一般労働者としてのオリジナリティを表現したい一心で寝る間も惜しんで練習する姿は、すごく温かみがあって充実感が見て取れると同時に、他の3人とは決定的に異なるのだな、と思わせる一抹の寂寥感が拭えない。
しかし、彼も、天賦の才を持つ他の3人も、結局は「楽しむ」ことに最大の幸福を感じることに変わりはない。
ピアノで自分を表現する。ただただピアノの音に身を任せ、溺れ、浸りたい。
その一心で演奏してるのだ。
そして、この音は自分から、オーケストラへ、観客へ、そして世界へと波及し、共鳴してゆく。
ラスト、英伝の演奏後の観客の反応は、音が世界を繋げられるかもしれないと本気で思うことのできる素晴らしいシーンだった。
以上、声フェチのピアノ未経験者によるレビューでした。
