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蜜蜂と遠雷のNのレビュー・感想・評価

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)
3.8
蜜蜂と遠雷

直木賞と本屋大賞をW受賞した恩田陸原作の同名小説を実写映画化。原作は持ってますが未読です。

過去の優勝者が一気にスターダムを駆け上がったことで注目度の高い芳ヶ江国際ピアノコンクール。

四六時中ピアノと生活してきた音大出身者ばかりの参加者の中、若き4人のピアニストがそれぞれの思いを胸にコンクールにのぞむ。

ピアノを教えてくれた最愛の母を失ったことによってピアノが弾けなくなった元・天才少女、栄伝亜夜。

幼き頃に天才少女とその母にピアノを教えてもらった名門ジュリアード音楽院在籍中の優勝候補大本命のアメリカ人の青年、マサル・C・レビ=アナトール。

音大卒だけど今は楽器屋で働くコンクール年齢制限ギリギリの28歳の高島明石は妻と子供の応援を背に最後のコンクールに挑む。

先ごろ亡くなった世界最高峰のピアニストの推薦状と共に「神からのギフト」だと見出され突如現れた少年、風間塵。

熱い戦いの中、互いに刺激し高めあいながらも、それぞれが胸に抱えている想い、背負っているものとの葛藤に苦しみながらもコンクール中に成長していく4人。

天才同士にしか理解できない部分があったり、天才に当たり前のように驚き嫉妬する凡人、凡人だからこその思考や視点に天才が何かに気づかされたり、といった部分が美しい映像とともに表現されていたと思う。

天才であろうが凡人であろうが彼らに共通しているのは、とにかくピアノが大好きなんだ!ということ。

好き。という思いの強さは何事も超えていけるパワーがあると思わせてくれました。

熱中するものがあるということは、苦しいこともあるけれど、人生の中でこんなに幸せなことはないのではないだろうか?

この作品では、ピアノだったけれど何かこれだけは大好きなんだを見つけようと思ったり、再確認させてくれる映画だと思います。

ストーリーと同様、松岡茉優さん、松坂桃李さん、森崎ウィンさん、鈴鹿央士さん、の演技シーンやそれ他の演技も素晴らしく、俳優って凄いなと改めて思わせてくれました。

是非、劇場でご覧ください。
さあ、世界を鳴らすのはあなた。
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