takato

ちいさな独裁者のtakatoのレビュー・感想・評価

ちいさな独裁者(2017年製作の映画)
4.3
ナチがどうとか、この主人公が~という話ではなく多くのものを象徴したブラックユーモアの見本のような良作。

荒廃しきった灰色の世界で、繰り広げられるは黒い人間喜劇。ナチズムだけでなく、ファシズム、権力、付和雷同、責任逃れ、自己欺瞞と様々な人間性の腐りきった部分を笑いで見せていく上手さ。ただ、その背後にはスウィフト的な人間存在そのものに対する疑問と怒りが低音をなしている。三幕構成で考えると少々三幕目が冗長だったかな。
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