シネマスナイパーF

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密のシネマスナイパーFのレビュー・感想・評価

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またダサい副題つけて…恥を知れ恥をアホ
すいませんついランサムのように口が悪くなってしまいました
キャップとのギャップが激しくて、クリス・エヴァンスが楽しそうに演じてました
この役選んだのは直ぐにでもイメージを崩したい確信犯でしょ


何が面白いって、本当が嘘で嘘を本当だとある程度信じ込ませるのが面白い
いやそんなことないよな?と思わせることで逆にサスペンスになる
小出しにされる嘘が実際には事件の核心とは別に関係のない一見どうでもいい嘘でありながら、話の確信には触れているのがニクい
我々もこいつらの今後が普通に心配になるよ笑

基本的に家族の連中の多くは「彼がいなくなって悲しい」よりも「彼がいなくなって困る」人たちで、遺産相続に必死
殺人事件の話なのにコメディとなり得ているのはこの空気感だからだと思う

え〜っ!そうだったの〜!みたいな急に騙してくるタイプというよりはずーっと怪しさと不穏さを隠さず滲み出し続けて最後に綺麗な弧を描き中心にピースを嵌めてああなるほどね上手いわって唸らされる感じの脚本
そこが絶妙だと思う
登場人物みんな胡散臭い中で観客が真実を知っている、ように見せることで物語そのものが胡散臭くなる

小道具使いも一回観ただけじゃ把握しきれないけど多分かなり上手いんじゃないかな
特に象徴的なあのナイフの円はクライマックス、ドーナツの穴に気づいたブランが埋めるように座り、ずっと弧を描き続けてると思っていたあるキャラクターがその一部に傷つけられそうになるけど、そのキャラクターの武器は他でもない実直さと優しさとそしてその人の職業が…であるがゆえに傷をつけることはなかった
ライアンよ、スターウォーズもこんくらい力入れて作ってくれれば良かったのに笑
ラストの構図とマグカップは天晴れですよ


みんなこれでライアンを許してやってくれ