彼が骨を埋めたいと思える場所がいまのファッション業界には存在しないということ。それが真実?
痛々しい気持ちで、明らかにその道のおしゃれに身を包んだ美しい男女で溢れる週末のBunkamuraを後にして、しばらくレビューを書く気になれず。今もどう受け止めればいいのかわからない。
マルジェラがいた時代はよかったよね、ともう言いたくない。喜びと苦しみで秤にかけたら、苦しみと絶望が上回ってしまうクリエイションのこと。
組織にとって、とても便利な隠れ蓑、「we」だらけのインタビューの功罪。
映像は白にはじまり、白に終わる。
例えが的確ではないのを承知でいうと、まるで失恋したあとのような気持ちでみていた。
マルジェラに身を包んで観にきていた美しいひとたちはどう思ったのだろう?
ほかのデザイナーのドキュメンタリーとは違う、ただ、重い。