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僕たちは希望という名の列車に乗ったのsoのレビュー・感想・評価

3.5
通称ぼくきぼ?まるで深夜アニメにありそうなタイトル。
開始5分で打ち消される、そんな冗談。
どこからどこまでも絶望しか見当たらない、
冷戦下東ドイツにおける若者達の静かに深刻な反抗の物語。
信じ難いことに、実際に起こった事件が基になっている。

民衆蜂起によって亡くなったハンガリー市民への2分間の黙祷。
学生達のその行動が、こんなにも重大な政治的タブーとして糾弾されることに驚く。
真実が明るみに出るほど、抽象的だった敵「国」はより具体的な敵として見えてくる。そんなミステリーの様な味わいもスリリングで、面白かった。

そして、まるでドストエフスキーの小説から飛び出したかのような雰囲気をまとったエリックに最初から最後まで心を揺さぶられっぱなしだった。さすがにこれは脚色された人物だと思うので、この人物を作ったのはすごい。というか脚色じゃなかったらヤバい。
彼を演じた俳優ヨナス・ダスラー君(すごく若かった)はある映画にて主演で実在した殺人鬼を演じているようで、これまたすごそうなので、絶対観よう。
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