Screen7

僕たちは希望という名の列車に乗ったのScreen7のレビュー・感想・評価

4.0
2分間の黙祷が引き起こした事件。原題の『The Silent Revolution』という言葉通り、単なる悲劇とは片付けたくない革命であったと思う。ベルリンの壁建設前の東西冷戦下、東ドイツにある高校の進学クラスのエリートたちは国家を敵に回した。本作は事件の当事者が書いたノンフィクション作品。思想の自由が守られていることがいかに幸福であるかを痛感した。
西ベルリンの映画館でハンガリー動乱のニュースを見たクルトは、クラスメートに呼びかけて授業中に全員で黙祷した。それが反逆行為と見做され、郡学務局による調査、そして国民教育大臣が乗り込む大惨事に。じっとりした首謀者探しが行われる中、黙秘して友人を守るか、密告して順風満帆な人生を歩むか、クラスメートは究極の選択を迫られることになる。たった2分間の黙祷が、まだ高校生である若者たちの人生を大きく変えることになってしまうなんて…。


※)ここから少しネタバレ含みます。





「こんなことで将来を棒に振るな」「英雄になろうとするな」という父親の言葉があるが、正義感に溢れ怖いもの知らずで、ホグワーツなら絶対グリフィンドールタイプのクルト達はリスク覚悟で勇敢な選択をした。それにしても、家族とのお別れのシーンは本当に辛くてクルトの母親の気持ちになると言葉が出ない。また、テオがいつも通りの朝を装う姿が苦しい。まだおチビさんのテオの2人の弟、バイクのサイドカーにすっぽり入ってる姿が可愛すぎるね。
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