daruma38

僕たちは希望という名の列車に乗ったのdaruma38のレビュー・感想・評価

4.0
聞きしに勝る、自由がない東ドイツの体制。死者に黙祷しただけで反逆者になる?国民の心の中まで支配する国の恐ろしさ。ここで生活するには、嘘、裏切り、密告、沈黙とおよそ生産的でないあらゆる保身術を身に付けるしかない。

陰険女官吏(政治局員?)は学生の些細なことを大問題にして、反逆者狩りで昇進を図りたかったか。救い難きゴマスリ野郎の典型。むしろ嫌々駐留している若いソ連兵の方がまとも。

年齢的にも東ドイツで息を潜め暮らすしかない親たち。自国に希望がないことを身に染みてわかっているからこそ、感情を圧し殺して子供だけはと送り出したのだ。たとえ自分に処罰が下ろうとも。極限状態での親の愛を見た。

列車場面は唯一ホッとした。スクリーンへ最大級のエールを送った。みんな頑張れ!
いや待てよ。今、香港の抗議デモが続いている。これは過去のことでは決してない。
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