喜連川風連

僕たちは希望という名の列車に乗ったの喜連川風連のレビュー・感想・評価

3.0
目で語る映画。

キリッと問い詰める場面では、前一点を見つめ、生徒たちがウソをつく場面では目が左右によく動く。

東ドイツの大人たちは、ナチズムを憎み、自身の思想を押しつける教育を施すが、やっていることはナチスとなんら変わりない。

支配者が変わっただけだ。

極左と極右では、思想の違いはあれど、支配の構造的には似通っていることを映画は指摘している。

極端なもの同士は、全く違うように見えて、表裏一体だ。

おじさんのセリフにもあったが、
「人間は何か信じるもののために生きるものだ」
それを希め望むのを希望と呼ぶのだろう。

劇中、労働者階級とエリート階級が登場するが、階級を設けていること自体、本来の共産主義と矛盾している。

地位や競争が、発展を生む構造は資本主義そのものだ。

2時間弱の映画でさえも、共産主義の矛盾を映し出す。
喜連川風連

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