目で語る映画。
キリッと問い詰める場面では、前一点を見つめ、生徒たちがウソをつく場面では目が左右によく動く。
東ドイツの大人たちは、ナチズムを憎み、自身の思想を押しつける教育を施すが、やっていることはナチスとなんら変わりない。
支配者が変わっただけだ。
極左と極右では、思想の違いはあれど、支配の構造的には似通っていることを映画は指摘している。
極端なもの同士は、全く違うように見えて、表裏一体だ。
おじさんのセリフにもあったが、
「人間は何か信じるもののために生きるものだ」
それを希め望むのを希望と呼ぶのだろう。
劇中、労働者階級とエリート階級が登場するが、階級を設けていること自体、本来の共産主義と矛盾している。
地位や競争が、発展を生む構造は資本主義そのものだ。
2時間弱の映画でさえも、共産主義の矛盾を映し出す。