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ジュリエット・ゲームのmitakosamaのレビュー・感想・評価

ジュリエット・ゲーム(1989年製作の映画)
2.6
スカパーにて。鴻上尚史の初監督作なんだそうな。基本的に舞台演出の人だから映像畑ではないから実力不足は否めないかなぁ。蜷川幸雄の映画よりかはマシだけど。

村上弘明が小学校の教師役で、駅のホームで見かけた女性(国生)に一目惚れし追いかける話。

先ず80年代特有の「マジになったらカッコワルイ」というスカした文化よ。全編にわたり感情を剥き出す行為をダサいとし茶化すテイストの最たるものだ。

つまりこの映画は恋愛劇でありながら、感情を意図的に欠落させている本末転倒な物語なんだよね。

小学校での発表会にロミジュリを上演することになり、友人の芝居を見に行ったりする。
小学校も劇団も、おちゃらけたロミジュリを演じるんだよね。つまりシェークスピアのオリジナルのロミジュリの恋愛に命をかける行為をダサいと言ってる訳やね。

そんな時代の空気感の中、男はストーカー的に女を追いかけ、女は疑問の余地も無く男になびく。
感情を否定した恋愛劇なんだもん。心理描写もヘッタクレも無ぇ。国生さゆり演じる女が、何が良くてあの男と結ばれるに至ったか、誰も説明できまい。
心理描写が甘いんじゃ無く、そもそも描写すらして無い。
あとは清志郎をBGMにして雰囲気だけ作ってる感じ。

村上弘明が演じるので、やたらとライダーぽいネタが多い。また教頭の村野武則には飛び出せ青春ネタを連発させている。

女を追いかけ町中を走り回りスケボーに乗ったりタクシーの屋根に張りついたり。
新大橋から隅田川に飛び降りて遊覧船を追うのはまあ良かったかな。

色々時代を感じる。当時のナウさ全開。
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