エドワード・ヤン監督の「クーリンチェ〜」にも通ずるような、触れるとそのまま壊れてしまうんじゃないかと思えるようなヒリヒリとした繊細さに覆われた作品でした。
幸せな瞬間はおそらく1秒もなく、むしろ剣山の上に座らされているかのような緊張感の只中に押し込まれた4時間が流れるのですが、最後の最後で明るい陽の光が一瞬見えた気がしました。
その一瞬だけで、それまでの全てが救われた気がするような
最後の最後でフッと解放されるような
何かが許されたような。
この作品は、4時間の居心地の悪さと、ラスト数秒の心地良さの、両方を体感できるように思います。
個人的には、列車に乗る前にお爺さんが言った言葉に、非常に感銘を受けました。
あの言葉を聞けただけで、この作品を観て良かったと思えます。
でも、若くしてあんな台詞を生み出せる監督だからこそこの作品を撮り終えた後に自死という道を選んでしまったのだとしたら、無念過ぎます...