kuu

ラブ&ドラッグのkuuのレビュー・感想・評価

ラブ&ドラッグ(2010年製作の映画)
3.7
『ラブ & ドラッグ』
原題 Love & Other Drugs.
映倫区分 R15+.
製作年 2010年。上映時間 113分。
エドワード・ズウィック監督が、バイアグラのセールスマンだったジェイミー・レイディの回顧録『Hard Sell: The Evolution of a Viagra Salesman』をジェイク・ギレンホール&アン・ハサウェイ主演で映画化したラブコメディ。

医学部中退の遊び人ジェイミー(ジェイク・ギレンホール)は、その口のうまさとノリでこれまでうまく世間を渡ってきた。
まるでガーシーのよう。
(男前さとスタイルの良さはジェイクは月であちらはスッポンだけど)
彼は何度か転職を繰り返した末、大手企業ファイザー製薬のセールスの仕事に就くバイアグラ~。
やがて研修後にピッツバーグ配属となり、病院でパーキンソン病を患う美人で若いマギー(はぁキュートなアン・ハサウェイ)と出会い。。。
君こそがバイアグラだ!(笑った)


コンドームは正しく使用することで、避妊だけではなく性感染症防止にもつながる。

余談からはじめますが、今作品でジェイク・ギレンホールは、役作りのために、原作者であるジェイミー・レイディと過ごし、アン・ハサウェイは、この映画に出演しているパーキンソン病に冒された女優、ルーシー・ルーシスと過ごしたそうです。
いやはや、役作りとは云えやるやん二人とも。
んでもって、アン・ハサウェイの役の名前はマギーで、ジェイク・ギレンホールの実生活の妹の名前は女優でもあるマギー・ギレンホールってこれはどうでもいっかぁ。
もう一丁、アン・ハサウェイのマシュマロとピンクは突起は胸を焦がすほどの威力があった。
情けないことに巻き戻してスローでガン見した己のエロさに反省。。。🥺
今作品、ジェイミー・レイディのノンフィクション『Hard Sell: The Evolution of a Viagra Salesman』を原作に、
コメディ、ドラマ、ロマンス
を丸ごと1本の映画にまとめた、結構善くミックスされた作品でした。
ジェイミー・ランドール(ジェイク・ギレンホール)とマギー・マードック(アン・ハサウェイ)ちゅう二人の主人公が、アメリカの医療界を舞台に繰り広げる物語が、なんちゅうても今作品のパワーの源になってたかな。
2001年の『プリンセス・ダイアリー』で、可愛すぎミア女王役のデビュー以来、女優として成長したアン・ハサウェイ。
勢いに乗ってる時の(いまでも勿論人気高いが)パワー感じたかな。
この心に残る、恐ろしくも見事な演技は、彼女のキャリアでも最高の出来栄えちゃうかな。
ロマンス映画は得てして、オリジナリティの欠如により、俳優や女優が自分のキャラとつながることが難しいという悩みを抱えているって映画雑誌で読んだことがある。
しかし、ハサウェイは感情的にも肉体的にも自分のキャラを体現し、ジェイク・ギレンホールが演じる完全無欠の男のスター性と相まって、オリジナルで楽しい映画を作り上げてました。
ハサウェイとギレンホールは、数々の性的逃避行を通して映画の中で一体化し、二人のキャラの固い外壁を突き破って正体を現した。
(余談ながら映画に出てくる抗パーキンソン病薬シネメットやロピニロールは、副作用として一部の患者に性的多動や過喚起を引き起こすことがあるそうです)
ハサウェイとギレンホールは、この作中で、数々の性的な行為を通じて、二人のキャラの硬い外見の壁を破り、正体を暴くことで一体化する。
したがって、この映画における膨大な量のエロは、俳優やキャラを最も弱い状態に置いて真実を明らかにし、誰もが隠れた物語を持っていることを示すために、必要なんやと思う。
ジョシュ・ガッド演じるジョシュ・ランドールは、映画全体を通してコメディを作ろうとしすぎて、チョイ滑ってた。
笑いを生み出すどころか、とても必死な印象を与えてしまってんのが残念。
性的なシーンはストーリー上必要だとしても、性的なシーンやヌードが多い映画が嫌いな人は、その膨大な量のエロのために、この映画を見るのを避けるのが懸命かな。
ライトなエロ野郎は是非とも再生を。
今作品はコメディとドラマのバランスを完璧に取り、2つのジャンルを思慮深い自然なメドレーに仕上げてて、ロマンティック・ドラマと呼べるやろし、ロマンスと呼ぶこともできる。
どちらも間違ってはいないが、より正確な分類は人生のリアリティかな。
とても楽しめた作品でした。


ウ~ダウダ徒然に。
ED治療薬にはバイアグラ(シルデナフィル)、レビトラ、シアリスとあるが、バイアグラは生活改善薬として『夢の薬』『画期的新薬』なんて騒がれ、ファイザー社の売上・株価は急上昇し、世界的なセンセーションを巻き起こした。
このコロナ禍でもファイザーはワクチンでかなり名前を馳せたが、個人的にはバイアグラ=ファイザーのイメージが強いかな。
そんな背景を持つ今作品。
今では廉価なジェネリックをはじめ、コピー薬も糞ほど出回ってる。
今では時効になってるし書けますが、処方されてる方から譲り受けイタズラ心と興味で服用したことがある。
しかし、ウンともスンともならず、逆に傷ついた事を覚えてる。
勃起不全改善薬はあとになり媚薬の類いではないと知り、効能を確実に引き出すためにも、性行為の1時間前に服用しろとあった。
これは服用の30分〜40分後に効果が発現し、約1時間後に血中濃度が最も高くなるためだそうです。
結局、バイアグラに限らずED治療薬自体に性的興奮を起こすような薬効はなく、勃起ならびにその維持を扶助する目的で使用する薬剤であるし、服用しただけでは勃起は起きず、性的刺激が必要になると知り、何とか心を持ち直した。
中世時代のヨーロッパにおいては、EDのみならず性に対して数々の制約があり、現在とはかけ離れた常識が存在していました。
キリスト教が絶大な影響力を持っていた時代であり、その宗教的背景の中で行き過ぎた信仰や考えが蔓延し多くの逸話を生んでいます。
中世に遡れば、男であること・男である意味を強く求められてた。
女性と性行為ができるか・妊娠させられるか・女性を性的に満足させられるかなど、これらが性においての“男らしさ”とされてたから今なら炎上モン。
キリスト教下では、EDなどの性的不能者は精神異常者や同性愛者、異教徒信者などと同様に社会不適格者のレッテルを貼られ、偏見の目で見られた人は少なくなかった。
当然、結婚などは許されず仕事や社会的地位すらも失いかねないほど罪深いものと考えられてた。
国王など高い地位の者や歴史的に有名な人物の中にも、EDであった者が多くいたとされてるし。
そのため、彼らはEDを必死に隠し勃起しない原因に根拠のない迷信や云い訳を多く生み出し、その結果信じられない治療法も広まっていったそうな。
そんな時代にバイアグラがあったなら、現代では考えられない高額で取引され、今では薬より根本的な原因のメカニズムは解き明かされてたかもなぁ。
kuu

kuu