紫のみなと

ラブ&ドラッグの紫のみなとのレビュー・感想・評価

ラブ&ドラッグ(2010年製作の映画)
4.0
初めて観たときラストの結末が何とも言えなくて、アン・ハサウェイとジェイク・ギレンホールという最強の共演にも関わらず、もう観なくていいやと思いました。
何が正解か、言い切ることの難しいテーマにひとり、わだかまっていました。
それからもWOWOWやAmazonプライムで度々見かけても、もう観なくていい、と思いながら数年経ち…また、観てみようかなとなんとなく思い、鑑賞。

本作はラブコメのジャンルに入っているようですが、とてもその一言で終わらせることのできない映画です。

パーキンソン病の当事者の会のような会場で、パーキンソン病ステージ4の長年連れ添った妻を介護している男性が、主人公のジェイク・ギレンホールに投げかる言葉。
初めて観たとき、この男性の言葉に打ちのめされて、もう、ラブコメとも単なる映画とも思えなくなった。今回もやはり、打ちのめされました。

癌や、難病や、たくさんの病気があるこの世界。どんなふうに日々を生きて行くか、大事な人をどれだけ大事にできるか、生易しいことではない、辛いことが溢れている世界。

まるで御伽話のようで、でも、ジェイク・ギレンホールの感情も本物なんだと思える。アン・ハサウェイが、いま、幸せだと思う瞬間は私のもの、と言い切る気持ちも本物。
どうしてもやはり、観終わったあといつまでも尾を引く映画です。