マーティンルイス

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者のマーティンルイスのレビュー・感想・評価

4.0
『ジュラシック』シリーズ、完結!
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まず、大迫力の恐竜たちを映画館で観ることができる最後の機会かもしれないことに感慨深いものを感じる。子供の頃「将来の夢は恐竜!」と言うほど、大好きだった恐竜!!彼らは約6500万年前に絶滅しているが、その恐ろしい牙や大きさなど魅惑的な見た目から、これまで多くのアイディアやキャラクターを生み出してきた。そして、今シリーズの一作目である映画『ジュラシックパーク』を初めて見た時の、恐竜のリアルさや恐ろしさの衝撃は、今でも忘れがたい。そんな彼らを大画面で見る事ができて、叫び声を聞けるのが最後と思うと、とても印象深い作品だった。

前作で世界中に解き放たれた恐竜たち。
今作では、「彼らとの共生は可能か?」という一つのテーマに沿って描かれており、現世に蘇った恐竜たちが街中を闊歩する姿にはワクワクが止まらなかった!特にアトロキラプトルとのチェイスシーンや漁船を襲うモササウルス、飛行機を襲うケツァルコアルトスにはハラハラドキドキ!また、過去作へのオマージュや映画ロゴの再現などもあり、見応え十分!!
それから、なんといってもT.REX!
昔から大好きな恐竜で、生物界の頂点に君臨するその風格に今作でも圧倒された。恐竜たちから逃げるシーンも見ていて緊張するが、彼らの対決も迫力満点で最高!巨大生物の闘いは、最近だとゴジラシリーズやパシフィックリムなどでも観れたが、実際に生きていた恐竜たちの激突には、他のものでは感じられない野生さや現実味があると思う。
最強の捕食生物と呼ぶに相応しい恐竜だった
今作ではアラン•グラントやエリー•サトラー、イアン•マルコムなど、新旧キャストが集結している点も魅力の一つ。オーウェンとクレアの関係も落ち着き、今作では恐竜たちの魅力を演者が引き立てるような構成になっていた!また、前作で鍵を握ったメイジーが、今作で自分の居場所やルーツを探す様子にはどこか寂しさや悲しさを感じ、彼女を応援したくなった。


以下少しネタバレ⚠️



今作のテーマへの答え、それは自然環境へのリスペクトなのではないだろうか?
これまでジュラシックシリーズでは、恐竜という生き物を恐怖の対象やクローン生物として描いてきた。実際、恐竜(dinosaur )の語源は、ギリシャ語の「deinos sauros」に由来し「恐ろしいほどに大きいトカゲ」という意味を持つそ。そんな恐怖されてきた存在からか、従来の映画では彼らを殺したり施設に抑え込んだりという描写が多々あった。
しかし、今作では全く別の描かれ方をしている。一種の”動物”として描いているのだ。
彼らは、これまで自然に適応して、子を作り、群れを作って、互いを助け合い生きてきた。それに比べて、人間はどうだろう。自然を改変し同種を傷付け合う浅はかな生物といえる。今作のラストで描かれたように、もし人間がいなくなれば、野生動物たちは恐竜たちと共生でき、その後何億年も生息できるかもしれない。恐竜こそが、地球という環境下に1億6000万年も生息した”支配者”なのだ。
それから、今作で多くのイナゴが登場したが、現実でも、2020年にアフリカ•南アジアでバッタが大量発生して、2100万人の一年分の食糧が食い尽くされた。この原因には地球温暖化の気候変動が関係しているらしく、人間が自らもたらした危機とも言えるだろう。今の生活を続けていけば、変化する地球環境に適応できず、絶滅するのは我々人類である。
今作での「恐竜との共生」というテーマは、進展して「自然との共生」である。人間というちっぽけな種族のみでなく、地球とそこに生きる動物たちへのリスペクトのみが”支配者”となる唯一の道なのだ。
そんな製作陣のメッセージや考えが伝わり、心打たれた。

恐竜という存在を、恐怖の対象としてではなく、神秘的な生物として描き、童心に帰らせてくれる最高のジュラシックシリーズ完結作!!!!!
🤔地球に生き残るのは人類か、それとも…🦖!?
マーティンルイス

マーティンルイス