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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者のrensaurusのレビュー・感想・評価

3.5
多種多様な恐竜が、現代の自然や街に違和感なく溶け込んだり、はたまた見慣れない異物として現れる画面は面白いし、羽毛の生えた恐竜や新種の恐竜を見られるのもシンプルに嬉しかった。また、パーク期、ワールド期の俳優が集合することも、サービス感が鼻につくが正直胸熱だった。総じて、恐竜が好きなので、そこそこ評価したくなってしまう。悔しいのだが。

予定調和なほど恐竜たちが"俳優"であること、脚本・設定・行動へのツッコミどころ、「何コレw」みたいな演出などなど、気になるところは多くあった。恐竜の俳優っぷりは本当に酷く、「いやいや、パクリと行こうと思ったら行けるがな…」という違和感が、緊迫感を大きく損なっていた。主人公側のチームが軽傷すぎるところも上に同じである。また、スピルバーグのようなスリルを感じる演出が乏しく、シリーズや恐竜へのリスペクトの無さは少々不快だった。全編通して、主人公側のご都合で恐竜が動いている感じが野生性を損なっていて本当に良くなかった。あと手で手懐けようとするやつ。リアリティが無さすぎて滑稽。やめて。

あと気になったのが、「人類滅亡の危機に陥れるのイナゴかい!」というところ。科学で生命の遺伝子を操る傲慢さを元凶にしたいが故なのだろうが、イナゴは正直どうでも良かった。『デカイナゴ・ワールド〜新たなる支配者(イナゴ)〜』じゃないんだから。

良かった点としては、ワールドシリーズのキャラクターとして3作通してキープレイヤーとなったブルーが今作も良い味を出していたところ。ブルーを育てたオーウェンがメイジーを守る父となり、ブルーもベータを産んだことで、オーウェンとブルーが親心で繋がるという。最後のあのシーンは、ワールドシリーズのハイライトだったと思う。

手放しで大好きと言える作品ではもちろんないし、納得できないところや心残りもあるが、そこそこ楽しめる作品ではあった。ジュラシックシリーズはネタ切れ感が否めないが、恐竜でしか味わえない魅力とスリルが楽しめる作品をいつまでも待っています。
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