るるびっち

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者のるるびっちのレビュー・感想・評価

3.1
恐竜映画ではなく昆虫映画。
『スター・ウォーズ』新三部作同様、統一感がない。
「船頭多くして船山に上る」如く、監督により方向性がバラバラ。
最初から三部作として、方向を決めて無いのだろうか?
前作の課題はうやむやにして、別の展開をしている。

今回の狙いは、ダブルプロットとアトラクションだろう。
古株パーク組と新顔ワールド組。それぞれのプロットをクロスして見せ、最後は合流してラスボス恐竜と悪玉を倒す。

しかし合流までに時間が掛かり、ラスボス対決までに似たようなハッタリで飽きてしまう。
三人二組の過剰人数処理で、展開が長く感じる。
襲われるごとに誰か死ねばハラハラするが、スター級を揃えた為か、恐竜が忖度して誰も死なない。
恐怖映画ではなく、忖度映画だ。
だから恐竜が出てもハッタリにしかならない。安心安全映画。
何より古株組が年寄りすぎて、ノロノロしているのに食われない。
忖度が過ぎる。
ジジイをアクション映画に混ぜてはいけない。
「混ぜるな危険」ではなく、「混ぜるな安全」なのだ。

前回の課題である、恐竜との共存問題の方が話は広がっただろう。
「共存派」と「退治派」の激突で世界が右往左往したら、様々なドラマが生まれ、正解も中々出せずに深まっただろう。
但し、泥沼化する可能性もある。
夏休みのアクション・アドベンチャー大作としては、ふさわしくないかも知れない。
それで結局、ダブルプロットで盛り沢山のアクションを入れ、新恐竜もテンコ盛りにしてアトラクション・ライド感を増す方向を狙ったと思う。
だがプロットの片翼が爺さん組で、アクションが弱くダラダラに繋がった。
恐竜多めでも、スターに忖度して食わないので、結果ハッタリ。
何より限られた空間でのドタバタは、もう六回目なので食傷気味。
思いあぐねて、新機軸で出したのが巨大イナゴ。
恐竜映画じゃないやん!
恐竜が絶滅したように、本シリーズも絶滅寸前なのだ。
るるびっち

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